ニッキン抄 2021.6.18
徳川家康が薬マニアだったことは知られている。胃腸が弱く、自ら調合して創薬するほどの凝り性。なかでも今では幻となった腹痛薬「万病円」は江戸一の名薬とされた▼画期的なニュースを家康公も興奮して眺めていよう。エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー型認知症の新薬が米当局に承認された。世界の推定患者が3千万人に上る「不治の病」だけに“夢の薬”に期待が高まる▼認知機能や判断力の衰えを遅らせられれば、シニア層との金融取引にも光明が差す。新薬は国内での審査や高価格など課題もあろうが、普及すれば社会・経済にプラスに働くのは確か。“幻の薬”と消えぬよう実現を願うばかりだ▼こちらの処方はいつまで続くか。マイナス金利という劇薬。投与から5年余り。効果より副作用が大きいのは明らか。先の将軍は晩年自らの調剤薬を過信し、弱った体で強い薬を飲み続けて体力低下を速めたと聞く。2021.6.18
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