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ニッキン抄 2021.7.9

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 戦後、大阪の闇市。職探しで歩く道中、焼けこげた電柱が目に入る。そこに貼られたビラには「記者募集」の文字が――。司馬遼太郎さんが新聞社に入るきっかけとなったエピソードである▼紙面に才筆をふるい、作家の道へ。歴史小説の巨匠を生んだ“触媒”が一本の電柱だった。が、そんな郷愁を誘う公共インフラが負の遺産とされている。国土交通省は5年で4千キロの「無電柱化」に着手した。主な狙いは防災対策だ▼阪神・淡路大震災では8千本、東日本大震災では6万本の電柱が倒れ、避難や復旧を妨げた。熱海市の土石流を起こした豪雨や台風の被害も各地で相次ぐ。命を守るためにも電線の地中化は避けられまい▼金融界も基幹系の“レガシーシステム”への対応が急がれる。この先、技術者の高齢化・退職で維持が難しくなる「2025年の崖」が迫る。デジタルシフト、人材育成で変革期を乗り切りたい。既成の秩序が転換される時代を描いた司馬作品のごとく。2021.7.9


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