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ニッキン抄 2021.8.27

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 「ハックルベリー・フィンの冒険」の主人公は逃亡奴隷ジムとの旅路で王様と公爵をかたる詐欺師と会う。2人の悪行を嘆くジムに「王様はほとんどみな悪党なんだ(中略)僕が歴史で出会ったうちじゃ、一番まっとうな部類」と慰める。著者マーク・トウェインは民主制の信奉者だった▼その対極は独裁制であり個人の自由を制限する全体主義だ。アフガニスタンのイスラム原理主義組織タリバンは1990年代、女子校を閉鎖し、インターネットを制限し、音楽や映像を禁じた。今回の政変後も「民主主義的な制度は存在しなくなる」と幹部が断言した▼亡命した中銀幹部は米国の資産凍結により新政権が利用できるのは10億~20億円と明かし、「統治は容易ではない」と指摘する▼王の権威や神の教典に固執する政治は人権を尊ぶ現代になじまない。それが「アラブの春」の教訓だった。タリバン復権後の融和姿勢に詐略はないか。国際社会全体で注視する必要がある。2021.8.27


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