ニッキン抄 2021.9.10
「入り」と「出」の見込みを間違うと帳尻合わせに苦労する。2022年度予算の概算要求額が111兆円を超え、4年続けて過去最大となった。コロナ禍を差し引いても膨れ具合が心配になる▼こちらの出入りも気になった。厚生労働省によると、20年に退職・転職などで離職した人は727万人となり、新たに就職した入職者数（710万人）を9年ぶりに上回った。離職者数は19年より58万人減ったものの、入職者が133万人減り、逆転した▼金融・保険業の離職者も、前年より4万6千人少なかった。とは言え、安心はできない。コロナ下にあって、営業現場には業務過多の声がくすぶる▼10月1日の内定式が近づく。一堂に会しての式を見送る金融機関はあろう。来年4月の入社式までのコミュニケーションも悩ましい。ワイズスペンディング（賢い支出）が求められる予算同様、一工夫要る。計画より「入り」が減って、現場がしわ寄せを食うようでは困る。2021.9.10
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