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ニッキン抄

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 室町時代の能楽師、世阿弥。息子への伝書「花鏡」の一節「離見の見」で観客の立場から自身を客観的に見る重要性を説き、独りよがりな演技を戒める▼20年前の5月17日、りそな銀行の実質国有化が決まった。「りそなショック」後に変革を託されたのが細谷英二氏だ。「金融サービス業」を掲げ、どこよりも顧客から評価される銀行を目指した。社内の意識改革に心血を注ぎ、「お客さま・マーケット・ライバルの視点で考え行動せよ」と内向き志向を戒め続けた。世阿弥の一節を引き合いに呼びかけたこともある▼りそなグループは5月12日にパーパスを示したが、経営理念はショックを風化させないために原形のまま生かすことを決めた▼コロナ禍に薄日が差し、平時が見えてきた。初めて「傘を貸した」と揶揄(やゆ)された銀行界の姿勢は危機後に問われる。10年前に亡くなった細谷氏なら今、どんな指示を出すだろう。2023.5.19


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