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ニッキン抄 2023.8.25

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 初めてのアルバイトは繁華街の居酒屋兼定食屋。閉店間際に大将が作り始めるまかない飯が何よりの楽しみだった。当時、京都府の最低賃金は609円。学生の味方、「餃子の王将」ならギョーザを3皿食べても釣り銭が残った▼30年後の今年、最賃の全国平均が1千円を超えた。だが、ギョーザの値段も約1.5倍になり、3皿分の購買力は昔と変わってない。物価と賃金は双子のよう。狂乱物価に見舞われた1974年は春闘の賃上げ率が3割を超え、デフレ下では人件費削減が進んだ▼物価が上昇に転じた昨年、王将は二度、値上げをした。それでも客離れは起きず、逆に客足が5%伸びた。その強みの一端は現場主義だろう。チェーン展開ながら店長に味やメニュー開発の裁量を与えている▼住民の舌や胃袋と同様、財布事情や金融ニーズにも地域差がある。そのわずかな違いに応えられるかどうかは、ひとえに現場のさじ加減にかかっている。2023.8.25


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