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ニッキン抄 2023.9.8

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 古典落語「目黒のさんま」は下級魚サンマの虜になった無知の殿様を描く。鷹狩りの帰りに食べた庶民流の塩焼きが忘れられず、強引に用意させるも、健康を気遣った料理番は脂を抜いた。新鮮さが有名な日本橋・魚河岸で仕入れたにもかかわらず、味気なさに殿様は「やはり(海に面していない)目黒に限る」と締めくくる▼豊洲市場に初入荷したサンマの卸値は前年より8万円高い1キロ20万円に達した。1匹当たり2万5千円。高級魚と化す価格は庶民の感覚から離れるばかり▼こちらのズレには注意したい。働き手と組織の感覚である。大転職時代とのフレーズも聞かれる昨今、隔たりが大きくなれば若手・中堅の人材流出につながりかねない▼油(脂)を使う言葉はさまざまな意味で使われる。「脂が乗る」と「潤滑油」もある。時には高級な「秋の味覚」をつまみに、若手・中堅と将来を語り合うのも手だろう。素材に脂を乗せ、組織の潤滑油になれる上司術を学びたい。2023.9.8


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