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ニッキン抄 2024.2.16

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 1994年、米国の利上げに端を発する債券価格下落は「債券市場の大虐殺」と呼ばれるほどの混乱を招いた。米国債の長期金利は約1年で2.8%も上昇し、多くのヘッジファンドが巨額の損失を抱えた▼2022年以降の米国の利上げは94年当時を上回る急ピッチだった。長期金利の上昇幅は3%を超え、外債投資を増やしていた邦銀にも多額の含み損が生じた。だが多くの邦銀は損切りによってリスクを回避し、「峠は越えた」(金融庁幹部)ようだ▼日本銀行の利上げが秒読みに入った。危機の芽は国内に移る。債券は株式ほど頻繁に大幅な価格変動がないが、一度動けば市場規模が巨大ゆえに衝撃は大きい。かつては日本でも「資金運用部ショック」や「VaRショック」と呼ばれる危機があった▼金融政策の正常化は待ったなし。万が一にも大虐殺やショック死が起きぬよう、植田日銀は市場との対話に細心の注意を払う必要がある。2024.2.16


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