ニッキン抄 2024.7.12
先日、都内の水族館で風変わりな特別展を見た。毒を持つ生き物だけを集めた「もうどく展」だ。ゾウ2頭を倒す「フキヤガエル」や、食中毒を引き起こす「アオブダイ」など約30種を展示。毒レベルも紹介され怖さをリアルに感じた▼こちらも有害度はかなり高い。人体被害を受ける地球温暖化である。熱中症による死亡者は昨年1300人超（5年移動平均）に上った。今年も7～9月は「ダブル高気圧」で気温が高まる見通しで被害拡大が心配だ▼健康面だけでない。暑過ぎで屋外労働が難しくなり、2030年に世界で350兆円分の労働力を失う――。国連機関の試算だ。脱炭素へ一刻の猶予もない。金融界も対応が遅れる中小取引先の支援に尽力してほしい▼懸念は米大統領選でトランプ氏が当選したらパリ協定から離脱しかねないこと。ただ、そうであっても脱炭素の動きは後退させられない。温暖化を猛毒レベルにしないために。2024.7.12
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