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ニッキン抄 2024.11.22

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 欧州では、中世に平民も姓を名乗るようになった。領主らが人頭税を徴収する際、領民を区別するのに便利だったからだ。スミス(鍛冶屋)やフォード(浅瀬)など、職業や地形・地名などに由来する命名が多かった▼日本では明治政府が1870年に「平民苗字許可令」を出した。だが、庶民の多くは課税を警戒し届け出をしなかったため、5年後に強制措置となった▼いつの時代も税は人々の生活を左右する。現代の典型例は「年収の壁」だろう。長年、女性などの年収増にブレーキをかける一因となってきた▼税制同様、政権の不作為も障壁となりうる。法制審議会は1996年に選択的夫婦別姓の導入を答申したが、自民党保守派が拒んできた。だが先の衆院選で同党が大敗し、環境は変わった。野党が導入の意向を示し、連立与党の公明党も賛成の立場だ。夫婦別姓は国際的な潮流でもある。いつまでも旧壁を崩せぬようでは先進国の名が泣く。2024.11.22


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