ニッキン抄 2025.9.26
高知県にある「アンパンマンミュージアム」がにぎわっているというニュースを見た。高松支局赴任中の90年代後半に家族で訪れたことがあり、キャラクター像を前に幼かった娘が手をたたいて喜んでいたことを思い出した▼作者・やなせたかし氏がアンパンマンを発表したのは50歳の時。アニメのテレビ放送はその19年後の1988年と遅咲きだが、ずっと老若男女に愛されるヒーローだ▼「献身の心なくしては正義は行えない」と、やなせ氏が語っていたように、アンパンマンは顔を食べさせて相手を助ける。根底にあるのは戦場での経験と知り、このアニメを見る意識が変わった▼いまもウクライナや中東には紛争で困窮する人が多くいる。争う国のトップたちが献身の心を持つのはいつの日か。戦後80年が過ぎ、われわれ国民の大半は戦争を知らない。アニメの主題歌にある「そうだ うれしいんだ 生きる よろこび」をかみしめたい。2025.9.26
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