ニッキン抄 2018.8.3
あぶら菜を栽培し菜種油で灯をともす、わらじを編み土手を歩く――。全国でも珍しい体験学習を実践するのは小田原市立桜井小学校。偉人・二宮尊徳（金次郎）の生誕地ならではの取り組みだ。小さな努力の大切さを説いた「積小為大（せきしょういだい）」。同校はそうした尊徳の教えを、時を超えてつなぐ▼一方、一般にはやはり『まきを背負って読書する少年像』のイメージが強いだろう。真の人物像となると意外と知られていない。その実像に迫る映画「二宮金次郎」が来年8月ごろ全国公開される▼逆境に屈せず貧しいなかで勤労に励み、全国の荒廃した600超の農村を復興させた。その激動の生涯を描く。地元のさがみ信用金庫は全店に推譲金（支援金）の募金箱を置き協力している▼尊徳は藩の使用人たちの生活を助けるため、お金を貸借できる「五常講」を作った。映画は現代を生き抜くレジリエンス（復元力）のヒントを探り、協同組織金融の原点を見つめ直す機会となろう。2018.8.3
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