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社説 顧客本位の流れを加速させよ

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 金融機関の投資信託販売姿勢に変化の兆しがみえる。2017年度下期の地域金融機関の商品別販売ランキング(ニッキン投信情報)で、毎月分配型商品の順位が低下する一方、年1、2回決算型や手数料がかからない商品のランクアップが目立った。長期の資産形成を支えていく顧客本位の表れと受け止めたい。一部の大手銀行・地域銀行が始めた顧客の運用損益状況開示も前向きな動きだ。こうした流れを金融界全体で加速させてもらいたい。

 毎月分配型商品を年金感覚で利用したいというニーズはある。しかし、複利効果が得にくく、長期の資産形成には適さない面がある。過去の分配金が高いことをもって毎月分配型商品を一律に勧める姿勢は必ずしも顧客本位とは言えない。複利効果を得るには時間が必要なことを伝えることも大事だ。

 ブームに左右されやすいテーマ型ファンドにも注意が要る。旬なテーマは、顧客の気を引きやすく、販売サイドが前のめりになりがちだ。基本通り利用者の資金の性格や目的を丁寧に聞き取りし、ニーズに合った商品提案を徹底していくことが、顧客本位の実現につながる。

 三重銀行に続き、みずほ銀行や三井住友銀行などが開示した運用損益別比率は、金融機関を選ぶ際、有益な指標と言える。より長期間の指標が開示されると金融機関の姿勢がはっきりする。損をした顧客の割合が高いと開示を躊(ちゅう)躇(ちょ)するかもしれないが、顧客目線で判断すべきだ。

 金融庁はKPI(成果指標)について「好事例の開示を求められていると受け止める金融機関が少なくない」ことを危惧している。好事例かどうかにかかわらず、今後は分かりやすい判断材料を示さなければ、顧客から選ばれない可能性も生じる。

 長寿化で自助力による資産形成の重要性は一層高まる。それを支えていくのは金融機関の役割であり、ビジネスチャンスだ。しかし、手数料偏重になれば顧客の期待に背き、収益機会も逃す。目先の収益性が低い「つみたてNISA」などを長期の資産形成手段に育てるには、顧客本位の姿勢が欠かせない。



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