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社説 対話の重要性増す株主総会

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 金融界で2022年3月期の定時株主総会が6月14日から始まる。東京証券取引所の新市場移行後初めての総会であり、特にプライム市場を選択した金融機関には株主からガバナンス改革や収益力向上への圧力が格段に強まろう。経営陣は目指す企業価値を明確に示し、持続的成長に向けて例年以上に株主との対話を深める必要がある。
 大和総研によると、今総会で株主提案を受ける上場企業は68社(6月1日時点)と過去最多となる見通し。金融界でも大手行が環境NGOから気候変動対策の強化を、また地方銀行4行が英投資ファンドから増配の要求を受けた。サステナビリティ関連の情報開示強化や株式価値の向上へ「物言う株主」が発言力を強めている証左だ。
 経営陣は多様なステークホルダーに配慮した中長期の戦略を堂々と明示してほしい。ただ、こうした株主提案は総会で否決されても、相応の賛成率を獲得するケースが増えている。これまで安定株主だった国内の資産運用会社などが議決権行使の基準を厳しく見直していることも背景にある。株主や機関投資家への訪問などを通じ、意思疎通を強める必要があろう。
 総会ではプライム市場選択の妥当性や人的資本を始めとした非財務情報の開示方針、厳しい収益環境下での成長戦略などの質問も想定される。ウクライナ情勢やサイバーセキュリティーなどのリスクへの対処姿勢を問う声も増えよう。株主の真意を探り、通り一遍の回答に終始するような対応は避けるべきだ。
 また、コロナ禍で増えたオンラインでの出席者にもリアル出席者と同等の発言機会を設けるなど工夫が望まれる。株主総会は経営陣と投資家が企業の価値向上策を議論する貴重な場であり、対話の実効性を高めていく不断の努力が欠かせない。2022.6.10



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