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社説 金利が動く時代の道しるべに

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 報道の役割を広く理解してもらう新聞週間が10月15日から始まる。日本新聞協会が選んだ2024年の代表標語は「流されない 私は読んで 考える」。金融界では多くのバンカーが未経験の金利上昇局面を迎えた。多メディア時代、丁寧な裏付け取材で読者の道しるべとなる良質な情報発信の充実に努めたい。
 日本銀行が金利正常化へ動き出した。金融機関経営には追い風で、預貸金ビジネスに回帰する動きは強まっている。ただ、若手・中堅の営業担当者は貸出金利引き上げの交渉ノウハウに乏しく、難航している現場も多い。単なる引き上げ要請では他行への借り換えを誘発しかねない。課題解決の提案などで金利に見合う付加価値を示すことが重要だ。超低金利下で隠れていた金融機関の実力が試される。
 金利が動く世界では経済の新陳代謝につながる期待も大きい。スタートアップの育成や転廃業支援へのリスクマネー供給に本腰を入れる必要がある。市場金利の変動が大きくなれば、予兆的リスク管理や資産・負債の総合管理(ALM)の巧拙も一段と問われる。さらには家計の金融資産選択の行動も変化しよう。
 金融機関の事業環境が一変するなか、金融界のニュースを深掘りする専門メディアとしての役割を発揮したい。独自ネタのほか、同じ情報でも一般紙とは違った視点で伝え、先を見通す手がかりを提供することが使命と考える。
 一方で、若者を中心に新聞離れは進んでいる。電子版と合わせて有益な情報を提供したい。広告投資プランニング会社の24年調査ではSNSやニュースまとめサイトなどオンラインメディアの信頼度は前年比で低下したが、新聞・雑誌系サイトはわずかに上昇した。しっかりと事実を確認して情報を伝える報道機関への信頼の表れと受け止める。
 金融界が大きなターニングポイントに立つ今、確かな情報で進むべき針路を照らす存在でありたい。2024.10.11


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