2023年6月2日号11面 特集 米ワシントン現地取材、規制強化へ思惑さまざま
激しさ増す預金獲得競争
米国では3月以降、シリコンバレーバンク(SVB)、ファースト・リパブリック・バンクなど地方銀行3行が相次ぎ破綻した。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げで、保有国債の含み損が拡大し、信用不安、株価下落、預金流出を招いたのが主因だ。SVBでは、SNSによる信用不安拡散により、一日で420億ドルの預金が流出する異例の事態が起きた。「3行の破綻は、特異な経営による個別問題」と、金融関係者は金融危機への発展を否定するが、その影響を受けて風評リスクに晒されている地銀も一部にある。銀行に対する規制・監督強化や預金保険制度の見直し議論が台頭。さらに、預金獲得競合激化、信用収縮の懸念、ノンバンクへの影響、破綻銀行を救済買収したJPモルガンチェースのさらなる強大化への警戒なども叫ばれ始めた。多様な課題に直面する監督当局、銀行界のトップにワシントンで取材した。
【写真】債務上限問題で揺れた米国
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