2024年6月14日号15面 農林中央金庫、「兆円増資」の実相、届かぬ利回り巨頭の苦悩
1兆円超の資本増強に踏み切る意向を示した農林中央金庫。農業協同組合(JA)など預金・出資者に対する、国内金利の実情に見合わない高利回りの還元姿勢は金利・為替リスク軽視の外債運用に向かわせ、世界的な金利上昇局面で含み損が急膨張する事態に至った。半面、50兆円の運用資産を有するマーケットの巨頭が陥ったポートフォリオの偏りは、10年超に及んだ大規模金融緩和の歪みを映す。
5月22日に開かれた2024年3月期決算会見。冒頭、奥和登理事長は増資を含む1兆2千億円の「資本再構築」を協議していることを明らかにした。欧米の金利上昇(債券価格下落)を受けて…
【写真】「資本再構築」について説明する奥和登理事長(左、5月22日、東京都内)
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