ニッキン抄 2019.1.11
書棚の収納量が限界に近づき、整理することにした。さっと目を通し、「捨てる」と「残す」に分ける手はずが、忘れていたことが多過ぎた。読み返すため、残すばかりで一向に減らない▼地銀協月報2018年10月号もその一つ。気になったのは岩下直行・京都大学教授が予想する近未来の地方銀行像である。「地方」と「銀行」のどちらかを「弱める」生き方を提示している▼「銀行」を弱め「地方」を前面に出せば、地域のさまざまな産業と連携し、地域のなんでも屋的存在になる未来が見えるという。規制緩和という条件つきながら、夢物語ではないだろう。弱めるのも悪くない▼知らず知らずに重ねた無理や無駄はないか、改めてみてもいい。新元号スタートは近い。30年の間に5倍以上に膨れた国の借金など、増えるほど募る憂いはある。夢を語る姿が似合う若人へ、重荷だけ押し付けては申し訳ない。平成最後の「成人の日」を前に、大人の責任がよぎる。2019.1.11
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