「ニッキンONLINE」創刊!
 
HOME > 「ニッキン」最新号から > 社説 > 社説 3メガ社長は新成長モデルを

社説 3メガ社長は新成長モデルを

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 メガバンクで持ち株会社のトップ交代が相次いで発表された。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は太田純副社長(60)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は三毛兼承・三菱UFJ銀行頭取(62)がいずれも4月に社長に就任する。2018年4月に就いた坂井辰史・みずほFG社長(59)と合わせ、3氏はデジタル化など激変する経営環境でかじ取りを担う。構造改革を急ぐとともに、新たな成長モデルを築いてほしい。

 「金融グループはパラダイムシフトに直面している。環境の変化を読み、適応できる力が必要」。國部毅・三井住友FG社長は次期トップに太田氏を推薦した背景をこう語る。また三毛氏が銀行頭取と社長を兼務するのも「構造改革の加速へ強力なリーダーシップが必要」(平野信行・MUFG社長)なためだ。両氏には前例にとらわれない発想、決断力が期待される。

 厳しい収益環境下、各グループはデジタル化や顧客チャネル再構築、グループ総合力強化など事業モデル変革が急がれる。そのため「たとえ70%の完成度でも先に進むことでスピードを上げる」(三毛氏)との発想には、従来の銀行のカルチャーを変える決意がうかがえる。

 ここにきて国際経済の不透明感が増すなか、グローバル展開を拡大する3グループにとってリスク管理の一段の高度化も求められる。欧米などで14年余り海外勤務した三毛氏、プロジェクトファイナンスに長く携わった太田氏の国際感覚、マーケット感覚の真価が試されよう。

 新時代を担うトップ3人は現中期経営計画で構造改革を実行するとともに、次の成長モデルを描く責任がある。19年度から新中計が始まるみずほFGは「より強力で強(きょう)靭(じん)な金融グループ」を標ぼうする。4月から次期中計の策定に入る三井住友FGは、普通株式等Tier1比率10%程度の目標を19年3月末に一年前倒し達成する見込みで「資本の余剰を将来の成長ストーリーにつなげる」(太田氏)。

 3メガバンクグループは変革期にある我が国銀行界のリード役を果たしてほしい。2019.1.11


ニッキンのお申し込み

ご購読のお申し込みは、インターネット・FAXで受付けしております。

申込用紙をFAX(03-3262-2838)またはお近くのニッキン支社・局までお送りください。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事