ニッキン抄 2021.10.8
舞台は米国に向かうクルーズ船内。エボラ出血熱が集団発生するが、ゴルゴは感染源の猿から見つけた抗体を用いて血清を作りピンチを脱する――。1995年発表の「ゴルゴ13」のエピソードだ▼昨年コロナ禍で新作が休載された際、コミック誌で復活した作品。クルーズ船にウイルス感染……。ネットには「コロナの脅威を予言していたよう」「先を見通す力がすごい」などの声があがった。先に亡くなった作者、さいとう・たかをさんは“リアルなシナリオ”で読者を魅了し続けた▼世界情勢に通じた「ゴルゴ13」なら、きな臭さが漂う金融市場をどう予見するか。長引く中国恒大集団の債務危機問題。負債総額は33兆円に上る。政府の対応次第では、金融システム不安に発展しかねない。ストレステストなどで「起こりうる事態」に備えたい▼危機管理の達人、ゴルゴのモットーを思い出す。「病的な用心深さと、それ以上の臆病さ」。細心の注意を、との警句に聞こえる。2021.10.8
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