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ニッキン抄 2022.3.4

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 時は明治の初め。渡辺房男氏の小説「円を創った男」で若き日の大隈重信がつぶやく。「新しく誕生する貨幣は世界中に流通するかもしれない……全て自分の責にかかっている」。両から円へ。新通貨づくりの苦闘がひしひしと伝わる▼きょうは「円の日」。大隈の尽力で1869年、円貨制度が定められた。小説を読み直し改めて感じるのは、その突破力。国を背負う一心で、運びやすい円形のコインや十進法の導入など周りを説得しながら約3年を費やした▼「如何なる貨幣を鋳造すべきか」は、令和の日本も直面する。日銀で中央銀行デジタル通貨の導入是非を巡る議論が進む。発行が世界の潮流となった場合に備え、「円」の存在感を保つには必要となろう。民間と共生できる仕組みを探りたい▼一方、海外できな臭い動きも。ウクライナに侵攻したロシアの中銀がデジタル・ルーブルの試験運用を始めたという。「制裁を逃れる手段」ならば、孤立を深めて国力は衰えよう。2022.3.4


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