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ニッキン抄 2022.9.16

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 「背広」の語源とされるロンドンの小さな通りサヴィル・ロウや、上客の多い金融街シティーには、注文服の老舗店が軒を連ねる。そのスーツの母国でエリザベス女王の国葬が週明けに執り行われる。シティーの心臓、イングランド銀行(英中央銀行)も平日ながら銀行間決済システムを止める▼人は逆境で真価が試されるという。ぜいたくや閉鎖性を理由に王室批判が吹き荒れた際、女王は自発的な納税や王位継承権の男女平等化などの改革を通じて国民に歩み寄ってきた。その人柄こそ、国を挙げての追悼ムードの根源だろう▼同じ島国の日本では、元首相の国葬を巡って世論が割れている。議院内閣制発祥の英国では国葬の実施に議会承認が必要。国王以外の実例はニュートン、ネルソン提督、チャーチルら歴史上の人物に限られる▼多額の国費を伴う国葬の決定は拙速でなかったか。岸田内閣には“襟”を正して納税者に説明する責務がある。2022.9.16


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