ニッキン抄 2023.7.14
南米ペルー沖の海水温が高くなる「エルニーニョ現象」が4年ぶりに発生したと世界気象機関が7月4日、宣言した。数年おきに起こる自然現象で、度々、異常気象を引き起こす▼今年は「超」がつくほどの規模。米ダートマス大の研究者は経済損失を3兆ドル(約423兆円)とはじく。日本は冷夏になる場合が多いが、今夏は猛暑予想。インド洋西部の海水温が上がる現象も発生するからで、台風の勢力が強くなる恐れがある▼今回と似る2016年は台風の大雨で鬼怒川が決壊し、甚大な被害を引き起こした。今年も6月下旬から7月上旬にかけ、九州を中心に豪雨が襲った。誰もが異常さを実感する。気候変動と金融は切り離せない関係になった。一足飛びに変われなくても脱炭素へ着実に歩を進めたい▼「史実は危機を認識しえたにもかかわらず、本格的な対応ではなく別のことを優先させたことを物語る」。損保会社役員がかつて本紙の推薦図書欄に寄せた言葉がよぎる。2023.7.14
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