3月9日号
不適切なデータなどの理由で裁量労働制の拡大が働き方改革関連法案から除外された。今通常国会の所信表明演説で「働き方改革を断行する」と宣言した安倍晋三首相。最重要政策としていただけに、お粗末の限りだ▼裁量労働制は、1987年の労働基準法の改正で導入された。労使協定に基づき、労働者の裁量で業務遂行と時間配分などが決まり、賃金が支払われる。金融機関でも主に企画部門などで採用されている▼実際は「みなし労働時間」とされるが、立場が違うと考え方も異なる。裁量労働は上限のない長時間労働につながることが懸念される。労働者にとって負担になることもあるだけに、基準が必要だろう▼身近な表現で心に響く詩を多く残した相田みつを氏。以前、禅宗の影響を受けた氏の言葉に「損か得か人間のものさし、ウソかまことか仏様のものさし」があると聞いた。裁量労働でも「損得だけでなく、働く人の立場で本当の改革」を進めてもらいたい。2018.3.9ニッキンのお申し込み
ご購読のお申し込みは、インターネット・FAXで受付けしております。
申込用紙をFAX(03-3262-2838)またはお近くのニッキン支社・局までお送りください。