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社説 連携の先進的モデル実現を

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 横浜銀行と千葉銀行は7月10日、営業部門での連携を軸とするパートナーシップ契約を結んだ。総資産で地方銀行1位と3位の組み合わせだけに注目度は高い。佐久間英利・千葉銀頭取は「営業部門における地方銀行の先進モデルとなるよう連携施策を速やかに具体化したい」とした。厳しい経営環境下、他行も参考になるトップ地銀同士ならではの連携モデル実現を期待したい。一部にある“不可侵条約”といった見方を払拭(ふっしょく)するには利用者・取引先が効果を実感できるかがカギになる。
 首都圏を地盤とする両行だが、中核は千葉県と神奈川県に分かれ、競合は少ない。具体的な連携策として示した事業承継、M&A(合併・買収)、相続関連業務など、互いの得意分野や取引先網を生かし、相互補完できる余地は大きい。例えば、相続関連では千葉銀は信託免許を有している。異なる海外拠点もあり、今まで以上に幅広い情報を還元できるようになるはずだ。
 デジタル化への対応も注目される。単独ではデータ量などでメガバンクに劣るが、連携すれば補える。人工知能(AI)を活用したサービスではデータ量の差が精緻(せいち)さを左右する。コスト削減へ東京都内店舗の共同利用は有効だろう。また、都内の店舗空白地区へ共同店舗を出店し、営業基盤を強化することも考えられる。
 両頭取の決断を促したのは将来に対する危機感だ。人口や企業数など、首都圏市場は地方に比べ厚い。貸出も増えているが、「将来的には減っていくだろう」(大矢恭好・横浜銀頭取)とみている。地方では、そのスピードがさらに速まることも想定しておく必要がある。
 金融庁は、こうした環境変化を見据えた対応に、銀行間で温度差があることに、強い懸念を示している。選択肢は連携、経営統合に限らないが、現状のままでは、持続可能性が高まらないことは明らかだ。比較的、経営に余裕のあるとみられてきたトップ地銀の決断を、よその地域での出来事と、受け流せる状況にはない。経営トップが地域の現状・将来をしっかり認識し、手を打たねばならない。2019.7.19


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