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社説 大手行トップ交代で新風期待

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 大手行グループが相次いで4月1日付のトップ交代を発表した。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は社長に亀澤宏規副社長(58)が昇格し、メガバンク初の理系トップが誕生。りそなホールディングス(HD)は南昌宏取締役(54)が大手行グループで最年少社長に就く。デジタル化の進展など激動の経営環境下、両氏とも新たなビジネスモデル構築を託されての登板だ。既存の枠にとらわれない柔軟な発想で手腕を振るってもらいたい。
 亀澤氏は初めてグループ傘下銀行の頭取を経験せずに社長になる。存任1年でバトンを渡し、三菱UFJ銀行頭取の業務に専念する三毛兼承社長は会見で「デジタライゼーションの知見は本邦金融界で随一。新しい金融を切り開く力を備えたリーダー」と亀澤氏を評価し、新時代に即したスピード感を持ったトップ人事を印象付けた。
 顧客行動の変化や異業種参入で金融サービスの垣根は低くなっている。「信頼やブランドがあるうちにイノベーションを作らないといけない」(亀澤氏)との危機感は業界共通といえる。新規業務参入やスタートアップ企業との関係を深めてきた経験を最大限に生かし、異業種協業で成果につなげてほしい。
 金融界は顧客接点のあり方も変革を迫られている。りそなHDの南氏はネットサービスと実店舗を融合させる「オムニチャネル」部門を率いてきた。今後も挑戦を続け「デジタル化を中心にお客さまとの接点を変え、新しい価値を提供する」とさらなる改革に意欲を見せる。ネットとリアルの融合による新たなサービスに注目したい。
 厳しい収益・競争環境のなかで、MUFGの亀澤氏は株価純資産倍率(PBR)の低さが示すマーケットからの厳しい評価を指摘。「次の絵姿をどう見せるかという『夢』を語れていない」と率直に語った。持続可能な成長モデルをどう作るか力量が試される。りそなHDの南氏も4月からの新中計で「お客さま起点でもう一回、ビジネスモデルを考え直す」と話す。金融界全体に漂う閉塞(へいそく)感の打破へ、新風を吹き込んでほしい。2020.2.7


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