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社説 デジタル化を進める契機に

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 金融機関の営業現場が新型コロナウイルスの感染リスクを抱えながら業務を続けている。混雑を招いている背景にあるのが、住所変更など不急の用件で来店する顧客の増加。こうした手続きはインターネットバンキングなど非対面取引で可能だが、普及しているとは言い難い。継続的な周知が必要だろう。利用を促すためサービスの利便性やセキュリティー向上も欠かせない。コロナ禍をデジタル化進展の契機にしてほしい。
 窓口業務の効率化につながる非対面のネットバンキングは多くの金融機関が導入している。だが、今回の危機で利用を進めきれていない実情が浮かび上がった。ネットでの振込手数料を優遇する特典を付けるなど利用を促すインセンティブを高め、非対面に誘導していきたい。
 スマートフォンやパソコンでの使い勝手を改善する動きは出始めている。ホームページから各種手続き画面に直接入れる仕組みを作ったり、手続きに必要な入力項目を減らすといった取り組みだ。フィンテック企業とのAPI(データ連携の接続仕様)接続を通じて「『ハンコ文化』の慣行を減らしたい」(メガバンク幹部)との声もあり、今後の進展に注目したい。
 顧客が抱く「セキュリティーの不安」を取り除く必要もある。全国銀行協会の利用者アンケートではネットバンキングを利用しない理由のトップに安全性が挙がった。金融界は過去に起きたネット取引のシステム障害なども教訓に、安心できる取引環境を整備することが求められる。
 新型コロナの感染を防ぐため、在宅でのリモートワークを推奨する企業は増えている。デジタルチャネルは顧客の生産性向上、働き方改革を後押しする手段としても有効である。金融機関と顧客双方にメリットがあるデジタル化へ大きくかじを切る時だ。2020.5.22


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