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社説 新常態下で増す信託の重要性

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信託財産残高の伸びが堅調だ。2020年度の増加額は2月末(1362兆円)までで約100兆円に達した。多様化する顧客ニーズに応えている表れだろう。高齢化の進展に加えてコロナ禍の長期化で社会不安が広がるなか、信託の役割・重要性は増す。最近は地域銀行による信託業務への本体参入も活発化し、金融界全体で信託機能を生かした社会課題解決の取り組みを加速させてほしい。
 人生100年時代を迎え、注目されるのが財産管理を後押しするサービス。「遺言代用信託」は20年度上期までの新規受託件数が累計18万5千件に増加。相続関連の遺言書の保管・執行件数もこの10年で倍以上に伸長。家族信託も広がり始めた。団塊世代が75歳に近づき、認知・身体機能の低下に備えたサービスへの需要は高まってこよう。
 事業承継も専門性が生かせる分野。承継ニーズは企業オーナーごとに違い、個別にアレンジできる信託の強みを発揮できる。また、社会・経済のニューノーマル(新常態)時代に入り、知的財産権信託を生かした動きも出始めた。医療に関する研究を行う大学に寄付する信託なども登場。こうした新たな取り組みを広げてもらいたい。
 地域銀でも相続や資産承継ニーズに直接対応するため、信託業務を自ら取り扱う銀行が増え、34行まで拡大した。信託機能を普及させるには信託銀行の店舗網だけでは限界がある。地域銀が“担い手”として裾野を広げることで、それぞれの地域の顧客に信託の利便性や安全性の周知が進むことを期待する。
 長引くコロナ禍で先行き不安が強まる時だからこそ、信託業務を手掛ける金融機関はこれまで以上に「受託者精神」を発揮して顧客や社会に寄り添う姿勢が大切となる。新常態下、「信託の力」で社会に貢献してほしい。2021.4.23


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