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社説 指定金業務のデジタル化を

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 4月から、地方税の納付書にQRコードが印字される。金融機関の窓口でQRコードを読み取れば地方自治体に収納データが送信されるため、金融機関から紙の納付済み通知書を送る必要がなくなる。さらに、納税者が金融機関店舗やコンビニエンスストアに足を運ばなくても、スマートフォンだけで納税することも可能になる。納税者の利便性向上に加え、金融機関や自治体の業務効率化につながるものであり、引き続き対象の拡大を期待したい。
 全国の99%以上の自治体(47都道府県と1731市区町村)が2023年度課税分から適用する。都市銀行、地方銀行、第二地方銀行の全行と信用金庫など374金融機関が4月の開始当初から「地方税統一QRコード」の窓口収納に対応する見通し。ATMやスマホでの収納も、多くの銀行が準備を進めている。
 4月時点でQRコードの印字が必須なのは4税目(固定資産税、都市計画税、自動車税、軽自動車税)に限られるが、政府は24年度からすべての地方税の納付書への印字を原則化する方針を示している。さらに、総務省とデジタル庁は地方税以外の各種公金にも拡大する方向で検討を進めている。アナログな慣習が数多く残る指定金融機関業務の効率化が期待できるため、税・公金収納のデジタル化を着実に進めてほしい。
 全国銀行協会の試算では、税・公金の処理コストは金融機関全体で年間600億円以上。自治体から適正な対価が得られずに採算が合わないケースが多く、指定金が自治体に手数料の見直しなどを求める動きが全国的に広がっている。ただ、多くの自治体は慎重姿勢を崩さず、今後の交渉も平行線をたどりそうだ。
 デジタル化によってコスト自体を圧縮する今回の取り組みは双方にメリットがある。今後は個別の自治体に対するDX(デジタルトランスフォーメーション)支援にも力を入れていく必要がある。2023.3.24


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