「ニッキンONLINE」創刊!
 
HOME > 「ニッキン」最新号から > 社説 > 社説 欠かせぬ金融市場への目配り

社説 欠かせぬ金融市場への目配り

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 政府は7月21日、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を閣議決定した。6月30日に示した原案の金融政策を巡る記述に、「日本銀行法第3条に基づき、金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられる」と脚注を加えた。
 原案に記載された「『強い経済』の実現に向けては、適切な金融政策運営が行われることが非常に重要」との部分に、債券市場が日銀の利上げをけん制するものと反応。「財政健全化」の文言が消えたことも影響し、長期金利が一時2.9%に上昇。円安も進み、追記せざるを得なくなった。日銀の独立性が尊重されるのは当然であり、金融市場への目配りを欠いては危うい。
 今回の骨太方針は、強い経済の実現に意欲を示す高市早苗首相の意向が色濃く出た。長い停滞が続いた日本経済に投資が必要なことは認めるが、財政健全化と両立できるかが問われる。政府の経済成長により債務残高の国内総生産(GDP)比率を低下させ、財政の持続可能性を高める方針も、成長頼みが過ぎれば、市場の信認は高まるまい。
 投資家は、2040年度までに戦略17分野に官民で370兆円を投資する計画に対し、政府支出がどこまで増えるかをみている。高市首相がこだわる食料品の消費減税に関しても財源が不透明な部分が多く、市場の疑念を招いている。裏付けをしっかり示すとともに、効果の薄い補助金や増え続ける社会保障費の見直しに踏み込むべきだ。
 今回、各省庁からの予算要求に上限を設けない「『強く豊かな日本』投資枠」創設や、措置期間を原則3年以内とする基金ルールの見直しなども盛り込み、複数年度予算化を見据える。
 複数年度予算はメリットもあるが、予算が硬直化しかねないリスクがあり、適切なチェック機能が働く仕組みは欠かせない。想定した効果でないようであれば、途中での予算打ち切りも視野に入れて、柔軟に対応すべきだ。2026.7.31


ニッキンのお申し込み

ご購読のお申し込みは、インターネット・FAXで受付けしております。

申込用紙をFAX(03-3237-8124)またはお近くのニッキン支社・局までお送りください。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事