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社説 信金らしさ磨き取引先支えよ

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 6月15日の「信用金庫の日」に合わせて全国の信用金庫で、さまざまな社会貢献活動が行われている。地元に感謝の意を示すと同時に、人口減少など地域経済の縮小が懸念されるなか、改めて地域密着を旨とする信用金庫のあり方を考える機会にしてもらいたい。後継者不足や人手不足に悩む中小企業が増えている。協同組織性を含め、信金らしさに磨きをかけ、中小企業を支える役割をこれまで以上に発揮していくことが重要だ。
 歴史的な超低金利が続き、信金の収益力は低下傾向にある。地域銀行は低利の大企業向け貸出を絞り、地元回帰を強めている。中小企業向け貸出はさらなる競争激化が予想される。銀行と同質化してしまえば、金利競争から抜けられない。狭域で地域・取引先をよく知る強みを生かし、よりきめ細かな支援やスピードで差別化を図りたい。
 そのためには、現場への権限委譲を進めることも一つの方法だ。「支店こそが銀行」というスウェーデンのスベンスカ・ハンデルスバンケンは、与信判断や営業戦略、人材採用など多くの権限を支店に委譲し、成長しており、日本の金融機関からも注目されている。現場がルールを無視した行動に走るようなことになれば元も子もないが、より地域密着を進めるうえでは、参考にできる部分がある。
 また、収益環境の厳しさを乗り越えるには、従来以上に業界内の連携を強め、効率化につなげていくことが大事だ。共通する事務や、フィンテックをはじめとするデジタル化への対応など検討の余地は大きい。共同持ち出資会社構想も排除せず、実現可能性を探るべきだ。
 高齢化社会を迎え、地域に安心を提供する役割も期待される。認知症高齢者の資産を守る後見支援預金を各県の信金が協力し、銀行に先駆けて取り扱う動きが広がっている。
 信金の株式会社化論が議論された1966、67年の金融制度調査会で、当時の全国信用金庫協会会長・小原鐵五郎氏は中小企業を富士山の裾野に例えて、中小企業専門の協同組織金融機関の必要性を説いた。その精神は今も色あせないはずだ。2018.6.15



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