ニッキン抄 2022.1.14
フランス発祥の洋菓子フィナンシェの語源は「金融家」。スーツを汚さず片手で気軽に食べられるため、パリの金融街から広まったらしい。形や色が金塊に似ているから、という説もある▼ずしりと重い本物は「有事の金」とも呼ばれ、大災害や紛争など混乱期に買いが集まりやすい。突発的な危機に弱い株価と逆の値動きをする特徴がある▼こちらの株との相関はどうなろう。世界を席巻するオミクロン株である。第5波のデルタ株に比べ感染力は3倍、増殖速度は70倍という。コロナショックで2020年8月に史上最高値を付けた金価格はワクチン普及に伴って軟調に転じたが、足元では再び乱高下が続く▼強気と弱気の間で揺れ動く相場の世界は甘くない。個人投資家にも分散投資の概念は浸透してきたが、いざ窓口に座ると選択肢が多すぎて思考停止に陥るわが身である。菓子職人のお株を奪う、最適な運用レシピのさじ加減こそ、助言者たる金融家の真骨頂だろう。2022.1.14
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