ニッキン抄 6月1日号 田んぼに水を引く月
田んぼに水を引く月とされる水(み)無(な)月(づき)を迎えた。木々の葉や草が一斉に生い茂っている。伸びゆく「若木」のデザインもそのイメージに近いだろうか。1955年6月1日に発行された1円硬貨のことである▼アルミニウムの1円玉は消費税3%の導入で大量製造されたが、5%への増税後は需要が低迷。その後、電子マネーの普及などで2016年からは一般用の製造は休止。18年4月末の流通高は377億円と、8%に増税した4年前から12億円も減った▼“試練”は続く。ここにきてキャッシュレス決済に世の中が動きだした。19年10月には消費税10%への引き上げも控え、買い物のお釣りで1円玉を使う機会は減る見通し。身近な小銭が希少な存在になるのか▼1グラムの1円玉は他の硬貨と違い、水面にそっと置くと表面張力で浮かぶ特徴がある。増税後にひっそりと“姿を消す”懸念も拭えないが、財政健全化の道筋を明確にしてもらわなければ浮かばれまい。2018.6.1
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