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社説 活力生む規制緩和を望みたい

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 都銀懇話会や全国地方銀行協会など金融各業態の2018年度の規制緩和要望が出そろった。超低金利やデジタル化に直面する金融界は、預貸ビジネス中心の伝統的な業務の見直しが急務。要望はいずれも多様化・高度化する顧客ニーズに対応した項目が多い。政府としても社会構造や環境の変化に合わせて規制を緩和し、金融機関の持続可能なビジネスモデル構築を後押ししてもらいたい。
 都銀懇はIT子会社の業務範囲拡大やインターネットでの保険募集の規制緩和など、デジタル時代に即した内容を盛り込んだ。地銀協は銀行グループが非金融を含む幅広い業務を営めるように規制を緩和・撤廃することを柱に据えた。第二地方銀行協会は地域活性化ファンドに限定した「5%出資ルール」の撤廃などを、全国信用金庫協会は「地域商社事業」への参入を柱に求めた。各業態が抱える喫緊の課題であり、顧客利便や地域活性化に資する。
 こうした規制の見直しを要望する背景の一つに、金融業に参入する異業種のプレゼンス拡大への危機感がある。メガバンクグループ幹部は「金融業の定義を広げ、競争上の公平性を確保すべき」と主張する。業務範囲を広げることが認められれば、事業モデルの変革を進める金融機関に追い風となる。
 また、各業態で根強い要望が店舗など保有不動産の賃貸業務の緩和だ。金融庁は公共的役割を持つ主体に限って認めたが、金融機関店舗は駅前の好立地にあるケースが多く小売りなど民間企業からの活用ニーズは強い。今後、業務効率化や軽量化で生じる店舗の余剰スペースを公共性に関わらず賃貸できれば地域のにぎわい創出が図れる。都市部に比べ閉塞(へいそく)感の強い地方経済の活性化も期待できる。当局は柔軟な方針を示すべきだ。
 金融界としても規制緩和を早期に実現するため、従来以上に働きかけを強めることが重要だ。銀行業界であれば要望主体をこれまでの業態別でなく全国銀行協会などに一本化すれば、業界全体として発言力も増すだろう。金融界、地域ともに活力を生む規制緩和を望みたい。2018.10.19


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