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社説 次代を拓き、成長戦略築こう 人材生かしコンサル機能強化

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バブル経済崩壊と巨額の不良債権処理、リーマン・ショックや二度の大震災の災禍。都市銀行が13行から5行に再編される一方で新形態の銀行設立が相次ぎ、30年間で金融地図が塗り変わった激動の平成時代も残り4カ月。少子高齢化や情報通信技術進展など社会の構造変化は加速する。2019年は金融機関にとって次代を切り拓(ひら)き、持続的成長戦略を築けるかが問われる年となる。
 内外ともに不透明感、不安定さが増す。世界経済は米中貿易摩擦の激化や欧米中央銀行の金融緩和政策修正などを背景に景気減速の恐れが強い。英国の欧州連合(EU)離脱の行方、地政学リスクの高まりなど波乱要因も多い。国内では5月1日に改元、4月27日から10連休となる。10連休のシステム対応や前後に集中する決済・事務処理など不測の事態に備える必要がある。10月には消費増税が予定。政府は景気腰折れを防ぐ増税対策に躍起で、19年度の当初予算案は初めて100兆円を突破した。だが、財政健全化との乖(かい)離(り)、時限対策終了後の反動など禍根を残しかねない。内外のリスクシナリオが顕在化すれば、追加緩和論も浮上しようが、日本銀行には副作用を抑制する慎重な政策運営を望みたい。
 金融界にも課題は多い。国内経済の低成長やマイナス金利政策の影響などを主因に収益力が低下し、従来型の預貸金ビジネスは限界にきている。社会のニーズや顧客の行動様式の変化に適応した構造改革が急務だ。オープンAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)、フィンテック企業との連携、人工知能(AI)活用などでデジタルバンキングとキャッシュレス化を進め、サービス高度化と業務効率化を図ることが重要だ。店舗戦略では軽量型や相談特化型、証券・信託・保険との複合型など立地に合わせた店舗網見直しが必要。地域金融機関では規制緩和された「昼休業」「平日休業」の導入も有効だ。三菱UFJ銀行と三井住友銀行がATM共同化にかじを切ったのは大きな一歩。各金融機関ともATMの効率運営を多角的に検討してほしい。働き方改革関連法が4月に施行され、「多様性を生かし、働きやすく、活力ある組織」が問われる。金融活動作業部会(FATF)の第4次対日相互審査を秋に控え、マネーロンダリング対策の態勢整備も急を要する。ゆうちょ銀行の預入限度額の倍増が政治決着したが、民間金融機関との協調機運が後退しないように政府も日本郵政グループも留意すべきだ。
 長寿化に対応した資産運用や相続、企業育成・産業創出など金融が果たすべき役割は重い。それを支えるのは人材だ。コンサルティング機能、情報仲介力を磨き、社会の期待に応えることが持続的成長につながる。2019.1.1



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