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社説、マネロン防ぐ規定整備を急げ

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 マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与への対策を厳格化するため、3メガバンクが6月から預金規定を改定する。金融庁のガイドラインに沿い、取引の制限条項を設けるなど「リスク遮断」を強める取り組みだ。全国銀行協会も普通預金規定の参考例を作り、会員行に通知した。マネロン対策に抜け穴があってはならない。地域金融機関も規定の整備を急ぎ、国際的な金融犯罪に業界一丸で対処していく必要がある。
 マネロン対策で新たに求められているのが、金融活動作業部会(FATF(ファトフ))で勧告された「継続的な顧客管理」。口座開設時だけでなく、既存客にも属性や取引目的の定期的な確認が必須となる。メガバンクは預金規定の改定で正当な理由なく協力を得られない場合、取引を一部制限できるようにする。対策の実効性を高める措置だ。
 規定の見直しは、4月に施行された改正出入国管理法に対応する意味でも必要な施策だろう。外国人労働者の受け入れ拡大に伴い、外国人の口座開設は確実に増える。口座が不正売買される恐れはぬぐい切れない。
 地域銀行では不自然な口座開設の遮断を強めているが、在留期限を過ぎた場合は口座を解約できるように預金規定を改める必要があろう。各メガバンクは日本国籍を持たない口座保有者の在留期限の確認・取引制限も可能にする。
 ただ、こうした規定を導入しても実際に運用する場合は利用者への丁寧な対応は欠かせない。確認手続きが厳格化されることで、通常より処理時間がかかるなど、顧客に負担を強いるケースが増えてくるためだ。例えば経済制裁対象国と取引があったり、外国政府などで重要な地位にある顧客などは高リスク先として、高い頻度で確認する必要がある。顧客の理解と協力を得られるよう、その必要性を周知徹底することが重要だ。
 FATFの第4次対日審査で国際的な信認を確保することはもちろんだが、審査の有無に関わらずマネロン・テロ対策の不備は経営責任を問われる時代になった。金融界を挙げて対策のレベルアップを急いでほしい。2019.4.12


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