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社説 金融行政の円滑な遂行を望む

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 金融庁の新体制がスタートした。遠藤俊英長官(60)は続投し、2年目に入る。6月に金融審議会の作業部会がまとめた老後資産づくりに関する報告書が国会議論に飛び火。1年目の仕上げは、すっきりしない形になった。そのあおりで、6月中とみられていた検査マニュアル廃止後の引き当ての考え方公表など、一部予定に遅れも見られる。2年目の遠藤体制には、政治の影響で金融行政が停滞しないように円滑な遂行を期待したい。新しい早期警戒制度の導入など重要テーマが山積している。長寿化が進むなか、資産形成の取り組みも後退させてはならない。
 金融庁は2015事務年度から金融行政の目標を「企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大の実現」と明確化した。以降、金融行政方針で資産形成分野の問題提起に割く分量は増えている。報告書問題の後だけに、19年度方針にどう盛り込むかは、注目されるところだ。
 6月28日から適用が開始された新しい早期警戒制度については、金融機関の納得感ある運用が重要だ。将来の収益性をもとに業務改善命令が発動される場合もあり、金融機関には警戒の色が強い。本音の対話がポイントになる。検査マニュアル廃止で、その重要性は、さらに高まる。検査官をはじめ金融庁側の意識改革徹底が必要だ。
 規制緩和も積極的に検討してもらいたい。人口減など社会構造の変化により、金融機関に期待される役割は多様化。既存業務だけで応えるのは難しい課題が増えている。地方で深刻化する中心市街地の空洞化に対し、不動産関連の規制見直しを望む声は少なくない。出資規制も重要なカギと言える。
 今回、3局長のうち2人が交代。総合政策局長に森田宗男・前証券取引等監視委員会事務局長(57)、企画市場局長に中島淳一・前総括審議官(56)が就いた。情報技術の進化など、金融を取り巻く環境はかつてないスピードで変化している。各局間の連携を強化し、停滞なき金融行政の実現に努めてもらいたい。変化への対応が遅れれば、行政目的の達成が難しくなる。2019.7.12


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