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社説 広域災害の復旧・復興に尽力を

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 東日本を中心に猛威を振るった台風19号は各地に甚大なダメージをもたらした。記録的な大雨によって、多数の河川が氾濫(はんらん)するなど大規模な浸水被害が発生。広範囲で住宅地や小売店、工場などが浸水・水没している。今後、サプライチェーンにも影響が出かねない。被災地の金融機関は融資の柔軟対応といった金融面はもとより、きめ細かい相談業務などで復旧・復興支援に力を尽くしてほしい。
 10月16日時点で、堤防の決壊は長野や宮城など7県の55河川・70カ所超。住宅の全半壊・一部損壊は約1千棟、床上・床下浸水は約1万棟に上る。工場設備などが被害に遭った事業者も多い。住宅再建と建物の復旧は急務。金融界は被災者の住宅ローンなどの二重ローン救済制度を周知し、利用を促したい。
 融資先企業の返済猶予も本格化する。事業継続意欲や資金繰りなどをしっかりヒアリングしたうえで、丁寧な対応が求められる。合わせて、復旧費用の最大4分の3を国や県が負担する「グループ補助金」の活用や、補助金と併用した融資をアドバイスするなど個社ごとに合わせた支援が期待される。
 中小・零細企業で工場の稼働休止が続けば、納入企業から取引を解消される懸念もある。そんな場合は販路拡大のサポートに役割を発揮できる。他地区の金融機関とも連携し、新たな取引先を紹介するなどで地域産業を守ってほしい。
 被災地での生活再建や取引先が安定操業に戻るまでには相当の時間がかかる可能性もある。金融面以外の悩みや相談も出てこよう。被災者に寄り添い、きめ細かく対応していってもらいたい。金融界はこれまで全国の被災地を支援してきた。そのノウハウを生かし、業界一体で復興に知恵を絞る時だ。
 今回は気象庁が早くから警戒を呼びかけたことで、多くの金融機関が休日営業の店舗やローンプラザなどの臨時休業を決めた。過去の経験を踏まえ、顧客や従業員の安全を優先する危機対応が定着してきたと言えよう。被災地以外の金融機関も災害レベルに応じたBCP(業務継続計画)の再点検が必要だ。2019.10.18


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