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社説 ATM・店舗は共同化を探ろう

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 銀行界でATMや店舗の共同利用が広がってきた。三菱UFJ銀行と三井住友銀行は9月22日から約2800拠点の店外ATMを共通化。地域銀行でも持ち株会社の傘下行や提携する銀行間で共同店舗の設置が相次ぐ。キャッシュレス化の進展で店舗やATM利用者の減少は避けられない。マイナス金利政策の長期化など厳しい収益環境下、各行は利便性を考慮しながら運営コスト削減へ共同化の可能性を探るべきだろう。
 ATMは維持費などで1台当たり年間数十万円の運営コストがかかる。三菱UFJ銀と三井住友銀は、共同利用で近接の店外ATMを数百台減らすほか店舗内でも共通化すれば年数十億円の経費を削れる。競合行同士が手を組んだのはキャッシュレス決済拡大による現金需要低下を見据えた合理的判断だ。
 三井住友銀の高島誠頭取(全国銀行協会会長)は「将来的には各行が参加できるオープンな形態を展望している」と話す。一方、他行ATMへの相乗りは地域銀でも進む。もはや自前のATM網充実を競う時代ではなくなった。最適なあり方を急ぎ考える必要がある。
 店舗も共同化が新たな潮流だ。フィデアホールディングス傘下2行(北都銀行、荘内銀行)と東北銀行、千葉銀行と武蔵野銀行はそれぞれ東京都内に共同店舗を開設。コスト削減に加え、マッチングなど営業強化も期待される。西日本シティ銀行と長崎銀行は運営費を抑えつつ県外店を維持する狙いで設置した。福井銀行と福邦銀行のように県内全域で同じエリアの店舗集約を模索する動きもある。
 店舗戦略や業務運営を見直す際には、これらの事例をヒントに自前主義を見直すべきだろう。過疎地にある営業所の機能を維持する場合などで共同運営のニーズはあるはずだ。現場の人手不足にも対応できる。
 ただ、こうしたATM・店舗の効率化で忘れていけないのは利用者目線。銀行の持続可能性やデジタル技術を優先する余り、顧客利便を損なうことがあってはならない。高齢者などリアルの金融インフラを望むニーズへの目配りは今後も重要だ。2019.10.25


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