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社説 中長期的課題は山積している

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 年明けには予想もしなかった状況で、2020年度を迎えた。当面は、新型コロナウイルスの世界的感染による経済危機への対応を優先させるべきだが、中長期的課題は山積している。地域社会、金融機関自らの持続可能性を高める取り組みを後退させることはできない。生産性向上や、金利に依存しない収益構造の構築は道半ばにある。環境や社会に配慮した投融資も進み始めたばかりだ。
 足元の危機対応で、資金繰り支援が重要なことは言うまでもない。倒産や廃業が増え、多くの雇用が失われれば、地域経済には大打撃となる。ただ、資金繰り支援にとどまらず、事業の継続性を高める伴走型支援により、危機克服後の地域経済を強くし、地方創生の実現につなげたい。
 世界的な超低金利は、コロナ禍により、さらに長期化することが避けられない情勢。貸出金利息収入の増加は容易に見込めない。市場運用も難しさが増す。取引先の課題解決を収益に結びつけるなど、金利に左右されない確かな収益源を作り出す必要がある。
 デジタル技術を活用した効率化や顧客サービス向上も課題だ。来店客数の減少にみられるように、若者を中心に金融サービスに対する価値観は変化している。メガバンクは大規模な店舗合理化に着手した。地域金融機関に難しさはあろうが、郵便局を含め、他金融機関との協力も前向きに検討すべきだ。
 デジタル技術活用にあたっては、柔軟に外部企業との連携を考えていく必要がある。自前主義の利点はあれども、開発スピードの遅れは、顧客離れにつながりかねない。
 金融界への期待が大きいのが、深刻化が懸念される気候変動対応だ。目先の融資にとらわれず、幅広い視点からの判断が求められる。こうした取り組みこそが、金融機関の新たな価値を生み出す。2020.4.3


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