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社説 GDPが映す二つの課題

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 4~6月の実質GDP(国内総生産)は、前期比年率マイナス27.8%と戦後最大の落ち込みとなった。金融機関は取引先支援と地方創生の重要性を改めて認識すべきだ。新型コロナ感染前の水準まで戻るのは、2022年度以降と予測する民間シンクタンクが多い。この間をどう支えるかが大きな課題となる。また、人の動きが止まった結果起きた同期間中の個人消費蒸発は、人口減少によっても起き得る。地方創生の取り組みを加速させることが大事だ。
 7~9月のGDPは反動でプラス成長が見込まれている。ただ、海外の経済活動も鈍く、主力の輸出回復に時間がかかるなど、V字回復は見込みにくい。だらだらとした回復基調のなかで、耐える経営を強いられる企業が多くなる。金融機関には、資金繰りだけでなく事業見直しや、販路開拓の支援が求められる。
 当面の回復は財政支出に頼るところが大きい。財源確保のため20年度の新規国債発行額は90兆円を超えるが、国の信認低下懸念は残る。市場を通じて金融機関経営に波及することもあり得る。取引先支援に支障がでないようリスク管理は徹底してほしい。
 4~6月に年率換算で28.9%減った個人消費は、人口激減という悪いシナリオが実現した場合の地方経済の将来のようにも映る。従来以上に危機感を持って地方創生に取り組むべきだ。
 15年度から5年間の第1期地方創生期間は終わったが、地方の人口減少は止まっていない。コロナ禍で倒産や廃業が増えれば、流出が加速する。一方、テレワーク普及で、働く場所が大都市から地方に広がる可能性がでてきた。海外拠点の国内回帰や国内拠点分散化の動きもある。こうした変化を地域や取引先の持続可能性を高める糸口としたい。自治体とコロナ後のビジョンを共有することも重要だ。2020.8.28


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