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社説 育成庁へ組織改革進めよ

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金融庁は2020事務年度行政方針の3本柱の一つに「金融庁改革」を挙げた。自ら掲げる“金融育成庁”としての役割を発揮するには不可欠な取り組みだ。若手職員を中心とする政策オープンラボから、迅速な政策立案・実行に至る例もみられる。こうした流れを加速させ、新たな庁風を築くことが大事だ。懸案の金融機関との対話改善も、引き続き進めてもらいたい。
 2000年7月に金融監督庁から改組され発足した金融庁は、今年で20年の節目を迎えた。“金融処分庁”と揶(や)揄(ゆ)された発足当時とは、組織も行政手法も変わった。金融機関から「対話しやすくなった」との声も聞かれる。ただ、行政方針に地域金融機関との対話にあたり「心理的安全性の確保に留意する」とあるように、改善の余地は残る。
 氷見野良三長官は本紙のインタビューで「銀行が抱える課題に応じた議論が大事」と答えている。この意識を末端まで徹底し、対等な目線で対話していくことが、持続可能な金融を育てることになる。
 危機の性質は異なるが、平成の金融危機、リーマン危機を経て培った金融庁の危機対応力はコロナ禍でも生きた。今後も新たな危機は起こり得る。過去の教訓を生かし、危機の未然防止と対応力を進化させる努力は怠れない。
 近年、成果をあげている若手を生かす取り組みは、さらに進めるべきだ。石川県で始まった無利子・無担保融資申請の電子化は、金融機関や地方自治体職員を巻き込む「ちいきん会」が起点となった。加速する変化に対応するには、ポジションにとらわれず活発に議論できる風土が必要だ。
 他省庁との連携も柔軟に考えるべきだ。例えばESG(環境・社会・ガバナンス)金融には、環境省も積極的に取り組んでいる。縄張り意識を持ったままでは、国民のための行政は期待できない。2020.9.11

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