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社説 負担軽減と品質向上進めよ

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 金融庁検査と、日銀考査の一体的運用に向けた検討が本格化する。以前から“二重行政”による重複が指摘されており、金融機関の負担軽減は急ぐべきだ。一方で、共通目的である金融システムの安定へ、検査・考査の品質を高める視点は欠かせない。過去には、不正など問題点を見過ごしていた例もあった。
 自民党の金融調査会は、「金融庁と日銀の縦割り打破」と題した提言をまとめ10月27日、政府に検査・考査の一体的運用を求めた。提言の柱は、(1)データの一元化(2)金融庁と日銀の連携(3)金融庁・日銀の分業・協業の深化――だ。
 データの一元化については、既に一部で定義の統一などが行われている。金融機関の二度手間感をなくすには、これを加速させることが現実的だ。金融調査会が提言したように共同データ基盤を構築し、金融機関のシステムから直接取得できるようにすれば、金融機関の加工・入力の負担は減る。ただ、安全性など慎重に検討すべき点がある。
 金融機関の負担感は、検査と考査の間隔が近い場合、増幅される。目的や着眼点は違えども、事前協議で間隔を調整する必要はあろう。間隔を広げる代わりに、双方で検査・考査結果の共有を進めれば、一定程度補える。
 情報共有は検査・考査の実効性を高めるうえでもカギとなる。立ち入り周期を長くしたからと言って、金融機関経営の変化を見落とすことはできない。現場の担当官まで問題意識を共有し、変調を見逃さないようにしたい。コロナ禍の影響で、貸出資産の劣化など局面変化が予想される。
 有事の際や、受検負担が相対的に重い小規模金融機関には、合同チームによる立ち入りを検討してもいいだろう。互いの得意分野のノウハウを共有できれば、人材育成面でもプラスに働く。人材交流も考えていくべきだ。2020.10.30


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