HOME > 「ニッキン」最新号から > 社説 > 社説 “賢い支出”の徹底 必要

社説 “賢い支出”の徹底 必要

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が、2020年度第3次補正予算と21年度予算の編成に関して、ワイズスペンディング(賢い支出)を徹底するよう求める建議(意見書)をまとめた。建議が指摘するように財政運営は「新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済回復、財政健全化の三兎を追う厳しい戦いを強いられる」。政府は真摯(しんし)に受け止め、予算編成にあたってもらいたい。
 建議が求めたのはウィズコロナ・ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環につながる予算だ。給付金など一律のつなぎ的措置では、生産性が高まらないだけでなく、歳出が膨らむ一方になる。
 中小企業支援では、建議にもあるように業態転換や事業の多角化を行う前向きな取り組みに重点を置くべきだ。持続化給付金や家賃支援給付金を単純に継続すれば、新陳代謝は遅れる。デジタル化支援などで生産性向上を後押しし、強靭(きょうじん)性を高められるかがポイントになる。
 追加経済対策には、12月末までとなっている民間金融機関による無利子・無担保融資の期限延長も盛り込まれる見通し。資金繰り再悪化懸念はあり、延長に異論はない。ただ、借入金で延命はできても、課題先送りに終われば、返済にも影響する。利用条件など再考すべき点はあろう。
 家計支援も同じことが言える。20年度1次補正で行われた特別定額給付金支給は可処分所得を増やしたものの、消費を押し上げるには至らず、貯蓄が積み上がった。
 20年度の一般会計予算は2回の補正で当初予算比約57兆円膨らんだ。補正分は国債発行に頼っており、債務残高は国内総生産(GDP)の2.5倍に達する。財政支出の増加は避けられない部分はあれども、歯止めなき膨張は財政運営の脆弱(ぜいじゃく)性を高め、新たな危機への対応力低下を招く。2020.12.4


ニッキンのお申し込み

ご購読のお申し込みは、インターネット・FAXで受付けしております。

申込用紙をFAX(03-3262-2838)またはお近くのニッキン支社・局までお送りください。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事