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社説 日銀は踏み込んだ政策議論を

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 日本銀行は異次元の金融緩和に関する点検を行い、政策を一部修正した。金融機関収益の圧迫や市場機能の低下など副作用に配慮した姿勢は評価できる。ただ、市場ではその効果が限定的との見方もある。むしろ、これらは一段の緩和に備えた措置であり、金融システムに与えるしわ寄せは当面続く。日銀には達成困難な2%物価目標の柔軟化や、マイナス金利など政策自体の見直しまで踏み込んだ議論を望みたい。
 今回の副作用対策で導入されたのが「貸出促進付利制度」。今後マイナス金利を深掘りした際、新型コロナオペを利用した金融機関に対して日銀当座預金の金利を上乗せする。ただ対象は制度融資でなくプロパー融資のため、収益寄与は限られる見通し。
 長期金利は変動幅を上下0.2%程度から0.25%程度にした。国債市場の機能回復と金融機関収益の確保が狙いだが、多少の金利変動を認めても「効果には限界がある」(アナリスト)。海外で長期金利の上昇が意識されるなか、緩和の後退と受け取られる修正には動けず、副作用対策として不十分なのは否めない。
 もっとも、日銀は長引く緩和が金融機関に悪影響を及ぼしているとの認識は強めている。年8回の金融政策決定会合のうち、4回にわたり金融機構局から金融システムの動向報告を受けるという制度変更がなされたことがその表れ。金融政策の判断に、金融機関の経営実態を反映できるようにした意義は大きい。
 コロナ禍で大規模緩和が実体経済を下支えしたのは事実。他方、8年に及ぶ超低金利が金融仲介機能を損ねる状況を際限なく続けるわけにはいかない。コロナ後を見据え、政策の枠組みを真正面から議論するとともに、将来の出口戦略のソフトランディングに向けて市場と丁寧な対話を重ねてほしい。2021.3.26



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