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社説 新指針の積極活用で再生急げ

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 全国銀行協会などは、コロナ禍で打撃を受けた中小企業の事業再生を支援する新たなガイドライン(指針)の骨子を固めた。法的手続きによらない、債権者の合意に基づく私的整理スキームで経営者が再起しやすい仕組みを整えた意義は大きい。金融界は新指針を積極活用し、取引先の迅速な再生につなげてほしい。回復基調にある経済の腰折れを防ぐため企業の過剰債務問題の解決が急がれる。
 コロナ禍での実質無利子・無担保融資を中心とした資金繰り支援は企業倒産を抑え、2021年は57年ぶりの低水準となった。だが、飲食を始めとした対面サービス業などでは過剰債務が経営を圧迫。返済できず、倒産が一気に増える懸念が強まる。新たな指針は苦境に立つ事業者の債務整理の円滑化に主眼を置く。
 その柱の一つが、弁護士など第三者の専門家が再建計画に合理性があると判断すれば手続きが可能になる点。透明かつ迅速な事業再生が期待できる。加えて債務超過の解消期限を従来の3年から5年に延長するほか、経営者の退任を必ずしも求めない。中小企業の実態を考慮した仕組みであり、新年度からの運用を早急に軌道に乗せたい。
 ただ、金融機関にとっては債務減免など踏み込んだ支援に伴い、一時的に自己資本が棄損する事態も想定される。資本増強に向けて、金融機能強化法の活用なども選択肢となろう。個別の取引先や地域の将来を見据え、伴走支援に必要な策を講じてほしい。
 一方で政府サイドはガイドラインとは別に、全債権者の同意がなくてもメインバンク主導で債務減免できる法制整備を検討。仮に多数決制を導入した場合、意思に反して債権放棄を迫られた債権者から再建への協力が得られない可能性が考えられる。憲法上の財産権侵害なども懸念され、慎重に議論する必要がある。2022.2.11



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