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社説 金融商品販売に顧客本位根付かせよ

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 金融庁は6月30日、リスク性金融商品の販売会社に対する2022事務年度のモニタリング結果を公表し、顧客本位の業務運営に関してさまざまな課題を指摘した。「貯蓄から投資」に国民の意識を向けていくには、販売金融機関に対する「信頼」が大きなカギを握る。仕組み債販売を巡り、千葉銀行などが行政処分を受ける事態も発生しており、指摘事項だけでなく、好事例も参考にしながら、顧客本位の営業体制を確立させてもらいたい。
 例えば、従業員の適切な動機付けでは、「収益に偏重しない業績評価体系にする」と取組方針に掲げていながら、販売手数料の高い外貨建て保険販売の個人評価ウェートが高いため、現場が外貨建て保険販売に傾注した例が指摘されている。一方で好事例として、顧客アンケート調査で得た評価や提案プロセスなど定性情報の比重を高めている事例や若年層・中年層の資産形成推進へ同層への積立投資信託獲得ポイントを高く設定している例などを紹介している。
 現場の行動は、業績評価のあり方に左右される。指摘事項をもとに自機関の現状をチェックするとともに、参考にできる好事例はまねて、業界全体でレベルを上げていくことが重要だ。17年3月に金融庁が顧客本位の業務運営原則を公表してから6年余り経つが、金融業界に根付いたと言える状況にはない。
 今回公表されたモニタリング結果では、対面取引における工夫も取り上げている。法人営業と連携し、福利厚生として従業員に投信を販売し、3年半で投信保有顧客を75%以上増加させた地域銀行があるほか、ショッピングセンター内の土・日営業店舗で40~50代の主婦層へのアプローチに成功し、投信口座を増やした銀行もある。
 投信保有顧客数はネット系証券会社の伸びが目立つ。地域金融機関は、対面の強みを生かせる手法を探っていく必要もあろう。2023.7.21


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