社説 労使でよりよい働き方追求を
多くの従業員組合、労働組合で役員改選が終わり、新執行部がスタートした。本紙調査によると銀行員の平均年間給与は2025年3月期まで3年連続で過去最高を更新し、賃金面の改善は進んでいる。ただ、男女間賃金格差や人手不足、若手の離職など働き方に関する課題はなお多い。労使が協力して、誰もが働きやすい職場の実現に努めてもらいたい。
銀行界の男女間賃金格差は他産業より大きく、25年3月期は男性を100とした場合、女性は53%にとどまる。格差が生じる大きな要因は女性の勤続年数が男性に比べ短いことだ。課題として、家庭との両立困難を理由に一定数退職する女性がいることや、女性のロールモデルが少ないことが挙げられている。
こうした課題は女性活躍推進法が施行された16年ごろと大きく変わっていない。全国銀行協会の調査では4割超の会員行が短時間正社員制度を導入するなど、制度の整備は進んだ。効果がでていないのであれば、制度はあっても使いにくい何かが隠れているかもしれない。別の問題がある可能性もあり、組合員の声を聞き、問題点を明らかにすることが重要だ。育児休業取得者が同僚に「申し訳ない」と気兼ねする心理的負担を軽減し、同僚も快く送り出せるよう部署のメンバーに手当てを支給する金融機関もある。
人手不足から生じかねない過剰労働には注意が必要だ。6月の日銀短観によると銀行の雇用人員判断はマイナス24、協同組織金融機関はマナイス55で人手不足感は強い。労働環境の悪化は離職の要因になりかねない。増えるキャリア採用者と、プロパー社員との融和にも気を配りたい。
急速に進むAI(人工知能)を活用した働き方対応は重要性が高まる。効率化に寄与することは間違いないが、配置転換や職務の変更を求められることもあり得る。労組には働き手の主体性を守る視点からの意見発信が期待される。2025.8.29
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