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社説、変化見据え協会機能発揮を

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 全国地方銀行協会の新会長に6月13日、柴戸隆成・福岡銀行頭取(64)が就任した。第二地方銀行協会の会長も翌14日付で、京葉銀行の熊谷俊行頭取(60)に交代した。人口減少、少子高齢化など社会構造の変革期を迎え、両業界に期待される役割は広がる一方で、経営環境の厳しさが増している。会員行が協会に期待する機能・役割も変わる。両会長には会員行のニーズに耳を傾け、業界の発展を通じて日本経済の成長に資する協会活動を目指してもらいたい。
 柴戸会長、熊谷会長はともに所信の最初に地域経済活性化への貢献を掲げた。具体的な取り組みを展開するのは、個別行だが、地方創生は各地域に共通する重要な課題だ。優良事例の共有化をこれまで以上に進めると同時に、業界内・外のネットワークを生かせるよう協会がリードしていくことが期待される。
 フィンテックを始めとするデジタル化は、コストを引き下げ、持続可能性を高めるキーファクターだ。複数行が連携して研究に乗り出す例はあるが、業界全体で合理化やサービス改善につながる活用方法を探る必要もある。例えばキャッシュレス化では、複数の仕様があることで利用者の選択肢が増える半面、普及の妨げになる恐れがある。
 各行が利用者サービス向上や業務改革を進めていくうえで支障となる規制については、従来以上に強く緩和を求めていくべきだ。厳しい収益環境下、少しでも早く規制緩和を実現することは会員行のビジネスチャンス拡大につながる。また、マネーロンダリング対策の高度化やコンプライアンス意識向上など継続的な支援が欠かせない分野もある。研修を通じ、地道に業界全体の底上げを図っていかなければ、信頼が揺らぎかねない。
 第二地銀協は2019年2月に全国相互銀行協会から改称して30年の節目を迎える。当時70行を超えていた会員数は現在、40行まで減った。熊谷会長には30年を機に第二地銀の存在感を高める議論を行うことを望みたい。信用金庫や信用組合は、業界の知名度向上へ協会が広報宣伝活動を行っており、情報発信機能の強化も課題だ。2018.6.22


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