ニッキン抄 2020.9.4
植物が生い茂る新宿駅やスカイツリーが倒れた下町、朽ち果てた渋谷……。「東京幻想作品集」に描かれたイラストは、どれも廃虚となった東京の街だ。5月に発売され、2万部を超すヒット画集となっている▼「ありえない未来の情景」。テーマは作者が想像する非日常の世界である。だが、過密都市・東京から人が消えた風景は、コロナ禍で「あるかもしれない未来」も予感させる▼その東京で現実に“異変”が起きている。都の人口が6月としては初めて前月比で減少し、8月も前月割れに。「密」を避けるため転入が低調なほか、転出も増えている。コロナ禍が東京一極集中を変える可能性があるとみる向きも▼ただ、経済が回復すれば東京への流入超に戻りうる。企業のオフィス移転機運が広がる今、地方創生の「あるべき未来」を描きたい。地方産業の生産性向上、若者定住の道筋――。金融界も知恵を絞ってほしい。想像力豊かに。2020.9.4
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